スマホでヨットレース、観戦の手引き

 
 
スマホの場合は左右にスワイプ(指で移動)
パソコンの場合は、左右のカーソルキーか、マウスを画面下に動かすと矢印が出ますので、それで進みます
 
 

ヨットレースを観戦するにあたってのポイントを少しご紹介していきたいと思います。
対象は、ヨットレースをよく知らない方、ルールがよくわからない方、です。


 
 

ヨットレースにもいろいろな種類があるのですが、まずは、国体やインターハイで行われるディンギーレースで、 誰が勝っているのか?? に焦点を当ててご説明したいと思います。


 
 

 
 

たぶん一度これを最後までご覧になっても、意味不明。 の箇所があると思いますが実際のレースをご覧になり、 また、この説明を見ていただくと、少し理解が深まると思います。
 
 


 
 

さて、まずは簡単にレースのご説明

 
 

みんないっせいにスタートして、ゴールに一番早く着いた人が勝ち。 という、マラソンなどの陸上競技やF1などの自動車レースなどでおなじみの仕組みです。


 
 

 
 

ただ違うところもあって、ヨットレースではマークと呼ばれるブイを何個か浮かべておいて、スタートしたら、そのブイを順番に回っていき、最後にゴールする。というルールになっています。


 
 

ブイを回る順番をコースといいますが、コースの説明の前にヨットの走り方をご説明します。


 
 

ヨットでは風に対しての走り方は大きく分けて3つあり、それぞれ走らせ方が違います


 
 

風を前から受けて走る走り方

 

 upwind(アップウインド)


 
 

風を横から受けて走る走り方

 

abeam(アビーム)


 
 

風を後ろから受けて走る走り方

 

downwind(ダウンウインド)


 
 

この風に対する3つの走り方、前、横、後を組み合わせてコースを作ります。


 
 

コースの例
トラペゾイド・アウターループ
 
 


 
 
  1. スタートしてupwind


 
 
  1. スタートしてupwind

  2. abeam


 
 
  1. スタートしてupwind

  2. abeam

  3. downwind

    マークの間を通ればOK

 
 
  1. スタートしてupwind

  2. abeam

  3. downwind

  4. upwind


 
 
  1. スタートしてupwind

  2. abeam

  3. downwind

  4. upwind

  5. downwind


 
 

 
 
  1. スタートしてupwind

  2. abeam

  3. downwind

  4. upwind

  5. downwind

  6. Finish

    ヨットではゴールではなくフィニッシュと呼びます

 
 

 
 

コースさえ守れば、ヨットレースではどこを走っても良い?!


 
 

ブイとブイの間は、どこを走っても良いことになっています。


 
 

えー?それだったら、普通最短距離になるルートを走りますよね。みんな同じルートになるはずです。


 
 

ヨットにおける最短距離と”高さ”の概念


 
 

ちょっと難しく言ってみました。”概念”って難しそうな言葉を使ってみたかっただけです。


 
 

ヨットレースでもっとも難しく差がつきやすい走り方、upwind(アップウインド)では、最短距離の意味が、一般的な常識とは変わります。


 
 

ヨットは風上へはまっすぐ進めない!

 
 

upwind(アップウインド)の走りでは、ヨットは風の吹いてくる方向に対して斜め前にしか進めません。


 
 

風上にあるマークへは、斜めに進んでから方向転換して、また斜めに進んで行きます。


 
 

ちなみにこの方向転換のことを、”タック”と呼びます。実際のレースでは艇は風上に向かうとき、何回か ”タック”しますので、覚えておいてください。


 
 

では、最初左ではなく、右に進んだときどうなるでしょうか?


 
 

こうなりますが、平行四辺形になるので、最初右に進んでも、左に進んでも、進んだ距離は同じになりますよね。


 
 

さらに、途中でタックを何回かしてみます
平行四辺形が増えるだけで、やはり、進む距離は同じです。


 
 

つまり、右に行こうが左に行こうが真ん中を行こうが、進む距離は同じ。
だから、みんな、思い思いに走ることになり、同じルートにはならない、となるのです。


 
 

さらに、今度は最初の地点を左に移動して見ます。マークまでの直線距離は増えましたが、マークへは一直線です。さて、進む距離は、、、最初の地点からと同じになります。


 
 

2つの地点は、場所は離れていて、マークまでの直線距離も違いますが、マークまで走る距離は同じになります。
(重要!)


 
 

では、さらにスタート地点を増やしてみます。
ここも、ここも、マークまでは同じ距離になります。


 
 

つまり、、、、

風向に対して、直角に引いた線上が、マークまで等距離になる線。

となるのです。


 
 

以下、この線のことを、風向垂直線とこのご説明では呼びますが、実はもっと良い呼び方がありそうな気がします。 ご存知の方はぜひお教えくださいませ。


 
 

実際のレース画面で、風向垂直線が引かれているのは、その線上にいる船はトップ艇ですよ。 ということを表していると同時に、風向がどちらの方向かも表しているのです。 (もちろん、海上に線が引かれているわけではなく、仮想的な線です)


 
 

 
 

風向垂直線を平行にずらします。 この船とこの船が線上に来ました。場所は離れていますが、マークまでは等距離になります。
一方トップ艇とは、平行移動した分だけ、遅れていることになります。


 
 

この平行線の位置を”高さ”と呼びます。
”高さ”が高ければ高いほど、風上へ近い=マークへ近いです。


 
 

では、この場面での順位は??


 
 

そうです。この順番になります。


 
 

ここまで理解していただけましたか?

風向垂直線を頭の中で平行移動して、船の位置を比較する。

この作業ができると、upwind(アップウインド)の走りで、
誰が誰に勝っているのか、レースを見てわかるようになると思います。


 
 

 
 

残りの横と後については、簡単にご説明します


 
 

abeamの走りでは、目的方向にまっすぐ走ることができるので、 ほぼ、マークへの直線距離の差がそのまま順位になります。


 
 

downwindの走りでは、艇種により、upwindのときと同じように、 まっすぐ風下に向かって走れない艇があり、その場合は upwindのように”高さ”が「低い」、風下に向かうので今度は低いほうがマークに近くなります。


 
 

 
 

さて、以上で今回のご説明は終了です。 お付き合いありがとうございました。


 
 

そこは、ちがうだろーなどの突っ込み、 あるいはご質問などございましたら、 ご遠慮なくお寄せください